(社会新報2022年4月13日号2面より)
社会民主党の福島みずほ党首は3月31日の記者会見で、政府が年金受給者への一律「5000円給付」案を提示しながら撤回した問題について「選挙前のバラマキ策だ」と批判した。
岸田文雄政権は、2022年度予算に計上した総額5兆5000億円を政府の裁量で使える予備費に回そうとしている。これについて福島党首は、「予備費は政府が勝手に使える財布ではない」と指摘。「今後膨張していく可能性があり、国会の監視も審議もないまま5兆円を経済対策やコロナ対策に使うとしている。好き勝手に目的外使用される恐れもある」と警告した。
その上で福島党首は「年金は今後減額される可能性が強く、持続可能な制度にはなっていないのに、年金受給者に5000円を一律給付するのは明らかにおかしい。撤回は当然だが、選挙前の思いつきで買収を狙ったものだった」と、強く批判した。
続いて福島党首は男女の賃金格差について触れ、その是正のために「企業の有価証券報告書に男女の賃金水準を記載して、情報開示義務を課すべきだ」と提起した。
次に、野田聖子男女共同参画担当相が3月、内閣府実施の選択的夫婦別姓制度に関するアンケート調査の設問形式を批判したことに賛意を表明。「夫婦別姓制度に賛成か、反対のアンケートなのに、『夫婦同姓制度を維持した上で、旧姓の通称使用の法制度を設けた方がよい』という項目が入って三択になっている。賛成者を誘導する意図があるのではないか」として、設問形式の変更を求めた。
さらに福島党首は4月からの成人年齢引き下げにより、18歳でもアダルトビデオに親の同意なく出演できるようになった問題を参院で取り上げた立憲民主党の塩村あやか議員の発言中に笑い声が起きたことについて「笑うような場面でない。これによって被害者が出るのが予想されるのに、恥ずかしいことだ」と指摘し、「あらためて男性議員の意識改革と、女性議員の増大が必要だ」と述べた。
↑福島党首(3月31日、参院議員会館)。
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