(7月17日号より)
第27回参院選が7月3日に公示され、20日の投開票に向けて選挙戦が繰り広げられている。今回も社民党にとって政党要件がかかった「崖っぷち」の選挙となっており、党員・支持者の懸命の取り組みに、心から敬意を表したい。
参院選は通常、時の政権の中間評価と位置付けられるが、昨年10月の総選挙で与党の議席が過半数を割っていることから、今回の選挙の結果によって立ち行かなくなる可能性があり、政権の命運がかかった選挙となっている。
争点は、石破政権の評価に加え、選択的夫婦別姓制度の導入、企業・団体献金の取り扱い、コメ問題、物価高対策、トランプ政権の関税政策への対応、社会保障のあり方、防衛費大幅増の問題など多岐にわたるが、今回、特に注意を呼びかけたいのは、急速に広がる差別や排外主義への対応だ。
外国人に関する規制強化や差別など排外主義的な公約を公然と掲げる政党が現れ、これに引っ張られて各党が競うように外国人規制を打ち出しているからである。規制の根拠は曖昧で、生活苦や社会の閉塞感を「外国人たたき」で解消しようとしているにすぎないと考える。
これまでも自民党を中心に排外主義的な政治家は多く存在してきたし、差別を助長する政策も少なくなかったが、今回の選挙は度を超している。台風の目と言われる参政党は、外国人労働者の流入規制や、医療保険や生活保護の利用制限、日本への忠誠心の確認などを盛り込み、「日本人ファースト」を公然と訴えている。国民民主党も「外国人土地取得規制、社会保障の運用適正化」などを公約に明記。日本維新の会は「外国人比率の上昇抑制や受け入れ総量規制」などを主張する。日本保守党も、参政党に負けじと外国人への憎悪をあおっている。自民党は「違法外国人ゼロ」を打ち出し、すでに出入国在留管理庁は「不法滞在者ゼロプラン」をまとめた。
ドイツ、オーストリアなど多くの国で移民排斥を訴える極右政党が台頭し、米国のトランプ政権のような差別主義が世界的な潮流ともなっているが、人口減が進む日本社会は、外国人との共生が不可避の課題ではないか。
差別をあおって外国人を排除するより、日本語教育の機会拡大や定着の支援、基盤づくりこそ必要だろう。安易な排外主義の扇動にのみ込まれない冷静な選択を期待したい。