(社会新報3月22日号2面より)
社民党の福島みずほ党首は3月15日、参院議員会館で会見し、袴田事件についてコメントした。
袴田事件とは、静岡県清水市(現静岡市清水区)での一家殺害事件(1966年)の犯人とされた袴田巌さん(87)の再審をめぐる一連の動きのこと。自白強要や証拠の疑わしさから袴田さんは無罪を訴えたが、1980年に死刑確定。その後、再審をめぐり、袴田さん側と検察側との争いが長期化していた。今年3月13日に東京高裁による再審開始決定を受け、福島党首は「東京高裁は『捜査機関が証拠を捏造(ねつぞう)した可能性もある』としており、実質的に無罪判決だ」と述べた。また、「一日も早く再審が開始され、袴田さんの無罪が証明されることを願う」と語り、検察に対しては「特別抗告するべきではない」と強調した。
「2014年に静岡地裁は袴田さんの再審請求を認めたが、検察が抗告し、18年に東京高裁は再審を取り消した。最高裁は20年に審理し直しを命じて、今回、東京高裁は再審開始を決定した。この9年間は何だったのか。再審で審議すべきだった」と指摘した。
会見に先立つ14日、福島党首は袴田さん支援の集会に参加。袴田さんを支える姉秀子さん(90)を激励した。
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