震災で焼失した輪島市の朝市通り。(2月19日)
(社会新報3月21日号1面より)
社民党の福島みずほ党首は2月19日、能登半島地震で特に被害の甚大な珠洲市・輪島市の視察を行なった。党石川県連の案内で、焼失した朝市通りや避難所の状況などを見て回った。
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元日に発生した能登半島地震により、被災地へつながる道路が寸断された。特に被害の大きかった珠洲市・輪島市・能登町・穴水町の奥能登と呼ばれる地域への幹線道路である自動車専用道「のと里山海道」が通行止めとなった。そのため、一般道が大渋滞となり、復興の遅れの大きな要因となっていた。石川県は、能登方面への移動の自粛を求めており、奥能登への視察は自粛していた。
2月中旬、「のと里山海道」の通行止めが、全線開通とはいかないまでも一定緩和され、一般ボランティアも現地に入り活動を始めるなど、交通状況が改善したことを受けて、2月19日、福島党首と党石川県連は珠洲・輪島両市の視察を行なった。一部通行可能となった「のと里山海道」は、応急復旧で1車線だけが通行できる状態で、全面復旧には相当の時間がかかるとみられる。
膨大な廃棄物どう搬出
珠洲市では、津波被害や家屋の倒壊、液状化によるマンホールの浮上などの被害状況と正院小学校の避難所を視察した。同行した議員団メンバーの浦秀一珠洲市議からは、通常の廃棄物の132年分ともいわれる大量の災害廃棄物をいかに搬出するかが深刻な課題であるとの説明を受けた。また、トイレが使用できないため、凝固剤がほしいと要望があり、水が不要で使用できる簡易トイレ600個を浦市議が運営に携わる正院小学校の避難所に党として寄付した。
避難所では、避難生活を少しでも快適にと願って小学生が作成した壁新聞や、仕事がない状況でこれからどうして暮らしていけばいいのかと悩む若い人の声が印象的だった。
避難者戻れるかが課題
輪島市では、焼失した朝市通り、隆起により使用不能となった輪島港や仮設住宅を視察した。同行した議員団メンバーの門前徹輪島市議からは、集落の3分の2が2次避難し、地元を離れており、いかに輪島に戻ってきてもらうかが大きな課題であるとの説明があった。
仮設住宅の建設が進んでいるが、十分な量が確保されているとはいえず、復興も緒に就いたばかりだった。
2月21日には党県連として党員の自宅を訪れ、現状の確認を行なった。どの党員も水が使えないとのことで、不自由な生活を送っていた。津波が自宅の床下まで迫った党員や、道路が損壊して一時孤立した党員もいた。面談できた党員からは「よく来ていただいた」と感謝の言葉を受けた。党として微力ながら、被災した党員と連携をしていくことを伝えた。以上、被災状況の第3報としたい。