(社会新報2022年2月16日号3面より)
鹿児島県西之表市の「馬毛島への米軍施設に反対する市民・団体連絡会」(三宅公人会長)は4日、参院議員会館で、馬毛島での米空母艦載機離着陸訓練(FCLP)移転計画に反対する運動への協力を求める要請書を社会民主党の福島みずほ党首に手渡した。服部幹事長も対応した。
要請書では、2022年度の防衛省関連予算に馬毛島自衛隊基地の整備事業費として3183億円が計上されていることを指摘し、環境影響評価(アセスメント)や国会議員の現地調査を実施し、地元の合意なしに一切の工事に着工しないことを国に求めている。
福島党首は住民合意もなく島ごと米軍と自衛隊の共同訓練基地にすることは許されないとして、国会で徹底追及するとした。
同連絡会はこの日、野党国会議員でつくる沖縄等米軍基地問題議員懇談会が主催する集会で、馬毛島へのFCLP移転と自衛隊基地整備計画の撤回を求める署名2万4349筆を防衛省に手渡した(20年11月にはすでに30万3523筆を提出)。
集会では、防衛・環境両省へのヒアリングも行なった。同連絡会は、防衛省が環境影響評価手続きの途中段階で基地本体工事を発注したことを厳しく批判した。これに対して、同省は「島内での作業は環境影響評価書の公告後に着手する」との主張を繰り返すばかり。環境省は、土地の形状変更などを伴わない契約は「アセス対象とはならない」と述べた。
三宅会長は集会後の会見で、3日の防衛相との面会で事実上の計画黙認に転じた西之表市長について、直接面談して米軍再編交付金への配慮を求めた要望書が提出された経緯や真意を確認するとしている。
↑連絡会の三宅会長(左から3人目)から要請書を受け取る福島党首と服部幹事長(右)=4日、参院議員会館。
↑馬毛島の軍事施設建設計画に反対する議員懇談会(同日)。
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