福島党首
大椿副党首
桜井都連合政策委員長
熱気に包まれたミーティング会場
(社会新報1月10日号1面より)
SNSは継続こそ力に(大椿副党首)
法案実現は今がチャンス(福島党首)
「少数与党国会 社民党は、かく闘う」と題する社民党東京都連主催のミーティングが12月14日、都内で開かれ、党員など70人が参加した。先の衆院選で東京比例から出馬した桜井夏来都連政策委員長が司会を務め、福島みずほ党首と大椿ゆうこ副党首の両参院議員が、党をいかに飛躍させるかについて熱く語り合った。
冒頭、在日韓国研究所の金光男さんが、尹錫悦大統領による「非常戒厳」宣布以降、緊迫する韓国情勢について報告。同日に大統領弾劾訴追案が国会で可決したことを受けて、憲法裁判所の審判後に罷免が必至であり、内乱罪立件や政権交代が近づくだろうと述べた。
その後、司会の桜井さんが「2025年の日本政治を立て直すのは社民党であることをしっかりと確認する集会にしたい」と述べ、先の衆院選で少数与党となった結果、国会の光景がどう変化したのかを福島党首と大椿副党首に質問した。
福島党首は、「与党が過半数割れした今が、やはりチャンスだ。選択的夫婦別姓制度の実現も、同性婚の法制化も、ワークルール推進法案も、電光石火のごとく実現を見せていくのが年明けの通常国会となる」と答えた。また、石破茂首相について「安倍一強政治のような、けんもほろろとは対照的に、石破さんの答弁は途中までは理解してくれるかのような語り口だが、結局は『さまざまな観点から慎重に検討する』の決まり文句でゼロ回答だ」と厳しく批判。その上で、「野党が法案を出して採決を迫らないといけない」と強調した。
野党の力量問われる
大椿副党首は石破首相について、官僚の作文を棒読みする岸田文雄前首相とは違い、「少なくとも自分の言葉で伝えようとしている。得意分野では紙を読まずにアドリブも入れてくる」と述べた上で、「今度は野党側が政権をどう追及するか、力量が問われる」と指摘。
次に、「社民党にしかできないことは何か」について2人に尋ねた。
福島党首は、「やはり憲法や安保3文書関連、原発など、大きな対立軸でしっかりと主張できるのが社民党の強みだ。安保堅持の立憲民主党では反対できない能動的サイバー防御法案などに、通常国会でしっかり反対する」と述べた。
大椿副党首は、「若い人たちが社民党にいちばん期待しているのは人権だと思う。人権は、全ての政策の土台になり、軸になる。ここが社民党の魅力だ」と指摘した。また、長生炭鉱や佐渡金山の問題で韓国の国会議員らと連携したことに触れ、「戦後補償問題を堂々とやれるのも社民党の力」と強調した。
先の衆院選の結果は、社民党にとって厳しいものとなった。国民民主党の「手取りを増やす」政策がSNSで拡散されて議席を大幅に増やし、兵庫県知事選では、SNSでデマが拡散され、前知事が予想外にも再選した。都知事選の「石丸現象」と同じく、SNSの影響力と危うさを実感させられた。
縁の下の力持ちとして
福島党首は「SNSの強化は必要だ。ただ、兵庫県知事選のように、SNSで瞬間風速でだまして評判をとるのは本当に困る。縁の下の力持ちとして、正気で考える人を増やしていく」と地道な努力も必要と述べた。大椿副党首は「ネット情報の洪水の中で、でも『ここはおかしい』と気づいて、社民党の魅力に気づいてくれる人たちをまず固めることが大事。SNSはどぶ板だ。選挙前にちょっとやっただけでは票にならない。衆院選を契機にSNSに取り組んだ人には、ぜひ継続してほしい」と呼びかけた。
大椿副党首は参院比例代表選に臨む決意をこう語った。「私自身が政治に関わるきっかけは、自分が長年非正規雇用で働き、雇い止め解雇にあったという体験だ。皮肉にも自分がクビを切られたからこそ、いま国会議員をやっている。その時の怒りや虚しさ、悲しさ、それが今もなお別の人の身に起きていることに共感しながら、私は街頭に立っている。難しい言葉ではなく、暮らしの中で使う言葉で政治を語りたい」。