(社会新報2021年3月24日号2面より)
東京大空襲から76年となる10日、福島みずほ党首は参院議員会館で記者会見を行ない、「被害に遭われた方が生きていらっしゃる間に、何としても支援法案を成立させたい」と述べた。
福島党首は空襲などの被害者の救済を目指す超党派の議員連盟に所属している。会見冒頭で、党首は「民間人ですさまじい被害を受けた人たちは何の補償も受けておらず、戦後76年経っても残されている課題だ。議連ではワーキングチームで法案を作ってきた。今年こそと思っている」とした上で、沖縄はじめ全国津々浦々の民間被害者に対し、哀悼の意を表明した。
続いて東日本大震災から10年を迎えるにあたり、「犠牲者の皆さんに心から哀悼の意を申し上げ、今なおさまざまな形で苦しんでいる皆さんに支援を致しますと強く申し上げたい」と語るとともに、「脱原発をなんとしても実現すべき」と表明。「震災前、東電設計は15.7メートルの津波が来るという試算をして、親会社の東電に示していた。また、たくさんの専門家が対策を取るべきだと言っていた。2月26日、東京地裁の東電株主代表訴訟の口頭弁論で、地質学者の岡村行信さんは、2009年7月に東電の職員に対策を取るべきだと言ったと証言した。高い津波が来ることの予見可能性、回避可能性は十分にあった。国と政府と東電に責任があることは明らか。支援をしていくと同時に、脱原発をこそ実現しなければならない。中途半端にダラダラ原発推進をやっていれば、もう一度、原発事故が起こり、核のごみはたまり続ける」と述べ、「首相は原発推進の立場を変えようとしていない。だとすれば政権を変え、脱原発を実現するのが日本の選択では」と強調した。
またデジタル庁関連法案に関し、「参考資料の45ヵ所にミスが発見され、極めてお粗末。法案は出すべきではなく、出し直すべき」と指摘。「(法案で)大量の情報の一元化が進められ、目的外使用も可能になる。たくさんの民間人がデジタル庁に入り、民間の利権や利益のためにその情報が使われたり、ゆがめられたりする心配もある。少なくとも簡単に成立させてよい法案ではない」と語り、国会論戦に臨む姿勢を示した。