(社会新報2月29日号2面より)
金権腐敗の自民党政治に終止符を打とうと、総がかり行動実行委員会が1月31日、都内で「軍拡・増税、くらし破壊の悪政NO!裏金づくりの自民党政治は退場を」と題する緊急集会を開き、約150人が参加した。
主催者を代表して菱山南帆子共同代表があいさつし、「金権政治ノーを突きつけていくために、私たちはしっかり団結し、強くスクラムを組もう。今日の集会を冷たい政治から温かくつながり合う政治への転換のスタートにしよう」と力強く訴えた。
「鮒侍男」の危険性
浜矩子・同志社大学大学院名誉教授(国際経済学)と清水雅彦・日本体育大学教授(憲法学)が講演した。浜さんは岸田首相を鮒侍(ふなざむらい)男と命名したと語る。「岸田氏は『仮名手本忠臣蔵』に出てくる鮒侍のようだ。自民党という井戸の中で、あっちにフラフラ、こっちにフラフラ、頭をぶつけてばかりいる人物。何の信念も使命感もない」と痛烈に批判した。その危険性について「行政の最高ポストにこんな鮒侍男いることほど、危険なことはない。敵基地攻撃でいつ戦争に駆り出されるか分からない」と斬り捨てた。浜さんは経済活動の本来あるべき姿を説いた。「経済学の父、アダム・スミスは『他者の喜びをわがこととして喜び、他者の悲しみに涙する営みなり』と説いた。経済活動は人間を幸せにする、人権の礎でなければならない」と語り、「人を不幸にする大軍拡は論外だ」と強調した。
安保3文書具体化の阻止を
続いて、清水教授は「日本国憲法から見た軍拡」をテーマに講演した。租税国家論・財政平和主義の観点から軍事に税金を費やすことの問題点を鋭く指摘した。そもそも自衛隊は、①軍隊ではなく「実力組織」②海外派兵しない③専守防衛に徹する④防衛費をGNP比1%以内に といった、他国の軍隊とは異なる規定よって合憲と解釈されてきたはずと指摘し、大軍拡を厳しく批判。また、憲法9条改悪を阻止するためにも安保3文書の具体化を阻止することが大事だと強調した。
そして清水教授は、今後必要なのは、軍事による国家の安全保障よりも人間の安全保障だと強調。その実現は自公政権では無理であり、また日本維新の会を野党第一党にしてはならないと指摘。その上で、「本気の『労組と市民と野党の共闘』で政権交代を目指そう」と訴えた。