声明・談話

【談話】沖縄県知事の辺野古新基地建設設計変更不承認を歓迎する

2021年11月26日
社会民主党幹事長 服部良一

 11月25日、沖縄県の玉城デニー知事は名護市辺野古の米軍基地建設工事において、防衛省が申請した設計変更を不承認とした。この設計変更は埋立予定地に軟弱地盤が含まれていることが判明したことを受けての地盤改良を内容としている。玉城知事は軟弱地盤の最深部の調査が実施されておらず地盤の安定性の検討が不十分であること、工事が絶滅危惧種のジュゴンに与える影響についての調査も不十分であることを指摘。その上で「完成の見通しが立たず、事実上、無意味な工事をこれ以上継続することは許されない」と強く政府を批判した。社民党は玉城知事の不承認の決定を断固歓迎する。

 政府は今後、法的対抗措置を執るとみられる。しかし、軟弱地盤や活断層の所在が次々と発見され、技術的に埋立工事は不可能であることは明らかだ。そして、2019年2月24日の県民投票で示された通り、そもそも、辺野古新基地建設に対する沖縄県民の意見は「反対」が多数なのである。一刻も早く工事を断念すべきだ。

 政府は辺野古新基地を「世界で一番危険な基地」とされる普天間基地の移設と位置付けている。この移設・撤去はもともと、1996年の日米合意で「5年から7年以内」と期間が定められた。ところがその後、沖縄県内移設に固執するあまりここまで迷走してきたのである。さらに、辺野古新基地は岸壁の整備など、普天間基地と比較してその機能が飛躍的に強化され、自衛隊との共同使用の計画が明らかになるなど、中国を睨んだ南西諸島軍事力強化の重要な拠点となることが想定されており、もはや移設とはいえない計画内容になっている。

 社民党は沖縄県政与党として、玉城知事とともに辺野古新基地建設の撤回を求めて引き続き闘っていく。同時に「台湾有事」が懸念される中、「沖縄を再び戦場にさせない」ために沖縄や南西諸島、馬毛島の軍事基地化に反対し、日本国憲法の理念に基づく対話外交・平和外交を重視・実践することでアジア地域の平和構築に貢献する決意である。