2023年9月13日
第2次岸田再改造内閣発足にあたって(談話)
社民党全国連合
幹事長 服部 良一
本日、第2次岸田再改造内閣が発足した。派閥均衡を意識するあまり「不適材不適所内閣」であり、「岸田首相による岸田首相のための内向き延命内閣」である。マイナンバーカードの相次ぐトラブルや健康保険証廃止問題、秋本議員の収賄容疑での逮捕など岸田政権の支持率は低迷している。今回の内閣改造は政権浮揚で衆院解散の時期を図りつつも、他方で岸田首相が来年の自民党総裁選での再選を睨んだものだ。岸田首相は物価高や低賃金などで苦しんでいる国民生活を改善するためではなく、自己保身を優先した。このような内閣改造へ期待を抱けるわけがない。
閣僚についても、19人中13人を入れ替えたものの、松野博一官房長官や西村康稔経産相など留任、自民党役員人事も麻生副総裁・茂木幹事長・萩生田政調会長など骨格メンバーは変えず政権としての代わり映えが無い。
とりわけ、マイナ保険証問題の責任者でありながら一連の問題を現場や国民の責任とみなす発言をしたり、反対意見を無視し健康保険証廃止を強行する河野デジタル相の続投は、岸田首相の国民無視の姿勢に他ならない。
新しい閣僚にも問題がある。新たに外相へ起用された上川陽子氏は、かつて安倍政権下で法務相を担当したが、累計2年強の就任期間で計16名もの死刑執行をした。アムネスティの調査では、2022年末時点で世界199ヶ国中、死刑存置国は55ヶ国のみである。大量の死刑執行をした上川氏を外相へ起用することは、日本の外交においてマイナスにならないのか。
また、女性閣僚は最多といえど19名中5名であり、多くが二世議員であり政府が一部民間企業へ課している女性役員比率を30%以上とする目標にも届かない。本来、政治が率先してジェンダー平等を実行するべきである。2023年のジェンダーギャップ指数で日本は125位であった。特に政治・経済分野の男女格差が著しい。
以上のように、第2次岸田再改造内閣は全く期待できるものではなく、ただただ岸田首相の延命を優先した自己満足な内閣改造に過ぎない。ただ今後の動向によっては、来る臨時国会での解散総選挙があり得る。社民党は、引き続き岸田政権の悪政―軍拡大増税・原発推進政策と対決し、沖縄を再び戦場にさせない闘い、汚染水放出の即時停止、健康保険証の廃止をストップさせるための大衆運動を盛り上げながら、いつ解散総選挙になろうと闘える準備を粛々と進めていく。