声明・談話

【抗議談話】自衛官による自民党大会への参加について

【抗議談話】自衛官による自民党大会への参加について

 

2026年4月14日

社会民主党全国連合 幹事長 服部良一

 

 4月12日に都内で行われた自民党大会で、陸上自衛隊中央音楽隊に所属する3等陸曹が「君が代」を歌唱したと報じられている。
 自衛隊員は、自衛隊法第61条により、「選挙権の行使を除くほか、政令で定める政治的行為をしてはならない」と規定されている。このことに関連して自民党の鈴木幹事長は、「国歌を歌うことに政治的な意味はなく、特に問題はないと聞いている」と述べ、防衛省は「政治的行為ではなく、自衛隊法違反にはあたらない。職務としてではなく、私人として依頼を受けた」としている。
 だが、3等陸曹は「陸上自衛隊が誇るソプラノ歌手」と紹介されるとともに、自衛隊員の制服を着用して歌唱した。私服ではなく制服であった以上、「公私混同」と言われても仕方がない。また、仮に歌唱自体が「政治的行為」でないとしても、党大会という政党の最高意思決定機関に登壇したこと自体が「政治的行為」ではないと強弁するのには無理があると言わざるを得ない。
 自民党の総裁を兼ねる高市首相は自衛隊の最高指揮官であり、小泉防衛相をはじめとする防衛省の政務三役(大臣、副大臣、大臣政務官)も自民党の国会議員である。いずれも自衛隊を指揮監督すべき立場にあるところ、そうした公的な関係性を政党に持ち込んだという点は、やはり公私の混同であって極めて問題であると言わざるを得ない。
 自衛隊は、公権力を行使する実力組織の最たるものであって、文民統制(シビリアン・コントロール)の下に服するべきという点では、最も政治的な中立性が要求される。3等陸曹の自民党大会参加を事前に把握していながら、防衛省・自衛隊がそれを止めなかったのであれば問題であるし、3等陸曹を招待した自民党にも大いに問題がある。
 そもそも、防衛省の内局における運用企画局の廃止(2015年)や統合作戦司令部の設置(2025年)など、文民統制を弱体化させ、いわゆる「制服組」の権限を拡大させる動きが自民党政権下で続いている。この4月には、これまで主に文民の政治学者(大学教授など)が就いてきた防衛大学校校長に、制服組のトップであった元統合幕僚長が就任するという動きもあった。防衛省・自衛隊のみならず、シビリアン・コントロールを軽視する自民党の姿勢も批判されて然るべきである。
 社民党は、自民党大会への現職自衛官参加に厳重に抗議し、二度とこうしたことを繰り返さないよう強く要求するとともに、防衛省および自衛隊に対し、文民統制と政治的な中立性の確保との徹底を強く求めるものである。