日本は憲法で「戦争の惨禍を二度と繰り返さない」と決意してから77年になります。しかしその日本が、再び「戦争する国」への道を進もうとしています。
岸田自公政権は、琉球弧で基地建設やミサイル配備を進めるとともに、23年には「防衛財源確保法」・「防衛産業支援法」を強行。対中国有事を想定した九州・南西諸島で過去最大の日米軍事演習を実施し、全国の38か所の空港や港湾施設を「重要拠点」として確保準備するなど「戦争準備」を既成事実化してきました。
24年は、殺傷兵器そのものである「次期戦闘機の輸出解禁」を閣議決定し、軍事秘密保護強化のための罰則付き「重要経済安保情報保護活用法案」、日米指揮統合を見据えた「陸・海・空・宇宙・サイバー・電磁波」などの作戦統合する「統合作戦司令部設置法案」も国会で審議されています。
本年元旦早々、能登半島を大地震が襲いました。震源地近くの珠洲市はかつて原発建設予定地でしたが、地元の反対運動が建設を断念させ、志賀原発は10年以上休止していたことで辛うじて過酷事故を免れました。もし両原発が稼働していたら、「福島原発」を上回る悲劇が起こっていたかもしれません。世界一厳しいと称する原発規制基準には避難は含まれません。日本では住民を被曝させない避難計画は作れないからです。それにも係らず原発再稼働が進んでいることを許してはなりません。
30年前、今回と同じ「政治とカネ」が問われました。しかし、政治改革は「選挙制度改革」にすり替えられ小選挙区制と政党助成金制度が導入されました。自民党は小選挙区制の下で、多額の政党助成金と企業献金で公平・公正であるべき政治を歪め、少数勢力を排除し、奢れる一強政治と金権腐敗をさらに蔓延(はびこら)せてきました。この選挙制度こそ政治の劣化を招いた大きな要因です。
私たちは、「抑止力」の名の下で進む不毛な防衛費増大・軍拡競争に反対し、戦争への道を断固として拒否します。私たちは平和憲法の下、いのちとくらしが最優先される社会をめざします。沖縄、そして日本を絶対に再び戦場にさせてはなりません。
憲法改悪を許さず、「新しい戦前」にさせないために共にたたかいましょう。
2024年5月3日 憲法記念日にあたり
社会民主党・市民共同
社会民主党党首 福島みずほ
新社会党委員長 岡﨑 宏美