声明・談話

【談話】公明党の連立政権離脱について

【談話】公明党の連立政権離脱について

  2025年10月11日 社会民主党全国連合 幹事長 服部良一

 

 自民党と公明党との党首会談が10日行われ、会談後の記者会見で公明党の斉藤鉄夫代表は、自民党との連立政権から離脱することを表明した。

 今月4日の自民党総裁選で新総裁に選出された高市早苗氏は、閣僚時代を含め8月15日に靖国神社をたびたび参拝するなど、極めて保守的な政治姿勢で知られている。総裁選の期間中には、外国人に対する排外的とも思える言動もあり、当初から「高市首相」を前提とした連立政権の継続を疑問視する声も聞かれた。

 7日に行われた自公両党の党首会談では、公明党側から懸念を示された「靖国神社をはじめとする歴史認識問題」、「過度な外国人の排斥の問題」、「政治とカネの問題」の内、1点目と2点目については「認識を共有できた」という。だが、「政治とカネの問題」については認識の隔たりが埋まらず、改めて党首会談を行うことになった。

 再度の党首会談が10日に行われたものの、「政治とカネの問題」での自民党の対応が不十分であるなどとして、公明党が連立政権離脱を表明するという結果となった。企業献金の受け皿を党本部と都道府県組織などに限定するという公明党の提案を、党内手続きが必要であることを理由に、自民党がその場で受け入れなかったためなどと伝えられている。

 公明党が連立政権離脱を表明するに至ったのは、あくまでも企業献金にこだわる自民党の旧態依然とした考え方が主因であると同時に、高市氏の極めて排外主義的・タカ派的政治姿勢が背景にあるのは明らかだ。今回の公明党の連立政権離脱は、「政治とカネの問題」の解明もされないまま裏金問題の当事者である萩生田氏を党の重要ポストである幹事長代理に起用するなどした自民党の反省のない古い体質が招いた結果であり、自民党政治の破綻そのものである。自民党と選挙協力をしないと言う表明は、自民党の議員に衝撃を与えており、いよいよ自民党政治の終わりの始まりが加速する。

 1999年の小渕恵三内閣より26年に渡って続いた自公両党の協力関係は一旦終えんを迎える。「下駄の雪」と揶揄されながら政権にしがみついていた公明党の今回の「離脱」の判断はもちろん歓迎するものの、自公政権によって進められてきた平和憲法空洞化の歴史は容認できるものではない。日米ガイドライン、有事法制、集団的自衛権容認と安保法制、秘密保護法、共謀罪そして異次元の軍事予算拡大と敵基地攻撃能力を可能とする軍国化を自民党とともに推進してきた責任はあまりにも大きい。政治の暴走の「歯止め役」とか「平和の党」などの看板はとうにメッキが剥げている。今後「中道改革勢力」として党の立ち位置を言うからには、あらためて平和憲法の理念に基づく政治の実現に立ち戻って頂くことを切に期待したい。

 10月20日過ぎには臨時国会が召集され首班指名投票が行われる。自民党政治を終焉させるためにも野党による政権構想が急がれる。同時に裏金問題の解明や企業・団体献金の禁止、物価高対策、選択的夫婦別姓の実現をはじめ先送りされてきた課題に決着をつけ、国民の政治への信頼回復が最優先である。社民党は積極的にその役割を果たしていく決意である。