声明・談話

生活再建のための社民党の緊急経済政策

 広がる貧困・格差、物価高で困窮する生活、加速する少子高齢化社会。その一方で岸田政権は軍拡増税にひた走りです。不安だ、生活が苦しいーこのことを解決する政治が必要です。大企業や富裕層のための経済ではなく、人々のための経済へ。私たち社民党は、「軍拡NO!税金はくらしに」を訴えてきました。社民党の“待ったなし”の経済政策を発表致します。

 

(1)物価高騰で逼迫する生活の立て直しに、消費税を3年間ゼロに!

 最も効果のある生活再建策は消費税減税です。今大企業にたまりにたまった内部留保金510兆円に5%課税するだけで消費税収全額に充てることが出来ます。減税を3年間実施し、その上で所得税の非課税限度額の引き上げ、「1億円の壁」をなくすために金融所得課税強化、法人税・所得税の累進課税強化など抜本的な不公平税制の是正に取り組みます。大企業や富裕層のタックスヘイブン(税逃れ)を禁止し、税の応能負担を求めます。個人事業者に負担を強いるインボイス制度は中止にします。

 

(2)最低賃金1500円の実施、非正規雇用の待遇改善と正規職員化の促進を!

 物価高に賃金が追いつかない実質賃金の低下が続いています。とりわけ非正規雇用は今や37%を占め平均年収は約200万円で貧困格差、さらには少子化の最大の原因です。最低賃金を時給1500円にしても年収は300万程度、中小企業への思い切った直接支援策を実施し早急に非正規雇用の現状を改善します。特に公務職場で働く非正規労働者の正規職員化を進めます。就職氷河期世代の生活実態を調査把握し雇用・生活支援など本気の取組が待ったなしです。

 

(3)貸与型奨学金の減免、給付型奨学金への転換を進め、若者を応援します。

 社会に出る学生の半数が約300万円もの奨学金の借金を背負っているのは異常としか言いようがありません。貸与型奨学金の利子の免除や一定の条件下での残債の免除を即時実現します。今後は給付型奨学金を原則とします。日本の教育費はOECD加盟国でも最低クラス(GDP比)、給食の無償化、高校の授業料の差別なき無償化、大学の入学金・授業料の段階的減額、無償化を進めて行きます。

 

(4)ジェンダー平等の実現

 男女差別賃金の是正やとりわけシングル女性の貧困解消など、経済や政治あらゆる分野での差別解消、ジェンダー平等を実現しなければなりません。介護士、保育士、看護師などエッセンシャルワーカーの待遇改善に取り組みます。選択的夫婦別姓」や「同性婚」の実現をめざします。

 

(5)安心した老後を迎えるための社会保障制度の改革

 マイナーカードの強制による健康保険証の廃止に断固反対します。来年は診療報酬の見直しや介護保険制度の見直しがあります。防衛予算増や少子化対策を名目に社会保険料の負担増や社会保障制度の改悪にストップをかけます。医療費の窓口負担軽減の実現、国公立病院の閉鎖やベット数削減に反対します。年金制度を破壊する「マクロ経済スライド制」を廃止して「物価スライド」による下がらない年金・最低生活保障の制度設計を急ぎます。

 

(6)気候危機待ったなし。公共事業は防災対策に集中

 気候危機は年々日常生活にも大きな影響を与えています。温暖化・海水面の温度上昇で台風の大型化や豪雨・水害の発生、熱中症など異常気象の影響はもちろんのこと、迫りくる東南海トラフ沖巨大地震など、いのちを守るための防災対策が急務です。大阪万博やカジノ建設などは中止し、老朽化したインフラの強靭化など減災・防災のための施策に特化して対策すべきです。

 

(7)人間の安全保障はまず食料自給率のアップと脱原発から

 人間が生きるための「いのちの安全保障」が最重要です。日本の食料自給率は37%、エネルギー自給率も10%程度です。北東アジアで軍事緊張が高まり周辺の海洋の航行が制限を受けるだけで、日本は危機的状況に陥ります。食料自給率を上げることは待ったなし。農家の戸別所得保障制度を復活させ、早急にまずは自給率50%を達成させます。

 60年越え原発再稼働容認など原発回帰政策に反対し、2050年自然エネルギー100%で脱炭素・脱原発社会を実現します!