経済産業大臣 梶山弘志 様
社会民主党党首 福島みずほ
東京電力福島第一原発で発生した汚染水を、海に流す方針を政府が固めたと報じられている。13日にも関係閣僚会議を開いて決定するとのことである。
現在、タンクで保管されている処理汚染水には、トリチウムのみならず、セシウム134、セシウム 137、ストロンチウム 90、ヨウ素 129 などの放射性物質が残留している。東京電力は「二次処理する」としているが、その詳細も分かっていない。
海に流す以外の代替案として、専門家から「大型タンクによる長期安定保管」や「モルタル固化処分」といった提案がなされているが、十分検討されたとはいえず、現段階での海洋放出の決定はあまりにも拙速といわなくてはならない。
福島県では 59 市町村のうち 41 市町村議会が、海洋放出へ反対か慎重とする意見書や決議を可決している。福島県内の団体が集めた反対署名は 42 万人を超え、風評被害を懸念する水産業者も強く反対している。さらに、諸外国からも強い懸念の声があがっている。これらの声を無視して、海洋放出の方針を決定することは許されない。
放射性物質は集中管理をするのが原則であり、安易に拡散させることは許されない。政府は、海洋放出以外の代替案について真摯な議論を行ったうえで、幅広い世代、立場の市民の声にも耳を傾け、開かれた議論を行なったうえで判断するべきである。
以上、要請する。