声明・談話

重要土地調査規制法案の衆議院可決に抗議する

社会民主党幹事長

服部良一

 

  1. 本日の衆議院本会議において、重要土地調査規制法案が、与党などの賛成多数により可決され、参議院に送付された。野党から審議の継続を求められる中で、委員長の職権で採決が行なわれ、自公与党と日本維新の会、国民民主党も賛成した。
  2. 安全保障上重要とした施設等の周囲約1キロや国境離島を「注視区域」に指定し、所有土地取引や利用を調査し、規制しようというものだ。とくに重要とされる施設については「特別注視区域」とし、一定面積以上の売買に事前の届け出を義務づける。命令に従わない場合や、届け出を怠ったり虚偽の内容を届け出たりした場合、懲役や罰金が課される。
  3. この法律に基づく「調査」の対象はあいまいで、調査・収集できる情報が個人の経歴や思想信条、家族・友人関係にまで及ぶおそれが指摘されている。また、法案が定める「機能を阻害する行為」の規定もあいまいで、阻害行為への中止勧告・命令に違反すると刑事罰が課される。また、法律の運用次第では、事実上強制的な土地収用も可能となるなど、憲法が保障する財産権、居住・移転の自由、表現の自由、思想・良心の自由が侵害されるおそれは強い。
  4. 戦前の要塞地帯法(明治32年7月15日法律第105号)の再来ともいえる悪法を、20時間ほどの審議で採決するのは、あまりにも拙速だ。衆院内閣委員会では、私権制限への配慮、自治体との事前協、国会への報告を盛り込んだ附帯決議を採択したが、法案への懸念を払拭するものとはとうてい言えない。会期末が迫る中で与党は会期内の成立を強行するとみられるが、「安全保障」を口実に、市民の権利や生活、自由を制約することは許されない。政府与党は法案を撤回し、今国会での成立を断念すべきだ。

以上