社会民主党幹事長 服部良一
本日、札幌地方裁判所において「同性間の婚姻を認める規定を設けていない民法及び戸籍法の婚姻に関する諸規定」は法の下の平等を定める日本国憲法14条1項に違反する旨の判決が下された。社民党は日本における同性婚の法制化に向け、風穴を開けたこの画期的な判決を歓迎する。同時に、この判決を導いた弁護士、LGBTQ当事者のみなさん、アライのみなさんの努力を労うとともに、心からの敬意を表する。
同性婚が認められないことは憲法違反であることを訴える裁判は2019年2月14日に札幌・東京・名古屋・大阪で提訴され、同年9月には福岡でも追加提訴された。本日の札幌地裁判決は一連の訴訟における最初の判決であり、他地域における訴訟にも良い影響を与えることを期待する。また、同性カップルの権利保障については、婚姻関係にある男女に保障される権利に準ずるという司法判断が増えつつある一方、2020年6月の名古屋地裁判決のように”社会通念の未形成”を理由として権利保障を退ける判断がなされる場合もある。同性婚をめぐる訴訟に限らず、同性カップルの権利が争点となる場合に、この札幌地裁判決が参照されるべきである。
ところで、この札幌地裁判決によって直ちに同性婚を待ち望む同性カップルの権利が保障されるわけではない。札幌地裁判決の数時間後、新宿区議会において社民党新宿区議団を含む5会派共同で提出した「新宿区パートナーシップ及びファミリーシップ届出制度に関する条例案」が自民党・公明党らの反対多数で否決された。また、加藤信勝官房長官は本日午後の記者会見で「政府としては、婚姻に関する民法の規定が憲法に反するものとは考えていない」と発言している。社民党は札幌地裁判決を最大限に活かし、議会内外の様々な人々と連帯して同性婚を肯定する世論を形成するとともに、地方自治体におけるパートナーシップ制度の実現並びに国会における同性婚の法制化に向けて全力をあげる決意である。