社会新報

権利獲得のために、生き抜くために〜新宿で日本初のトランスマーチ〜

「国際トランスジェンダー追悼の日」である11月20日、日本で初めてのトランスジェンダーの権利獲得を求めるパレード「トランスマーチ」(主催=トランスジェンダージャパン 共同代表=浅沼智也、畑野とまと)が開催された。
サウンドカーを先頭に400人以上がトランスジェンダーフラッグやノンバイナリーフラッグ、「TRANS PRIDE」や「トランスヘイトを許しません」といったプラカードを掲げ、新宿の街を行進した。これに連帯するアクションが全国で展開された。

新宿の街を更新するTokyoTransMarch
 トランスジェンダーの被害状況を監視する国際プロジェクトTMMの調査によれば、2020年10月から21年9月までの1年間に全世界で殺害されたトランスジェンダー当事者は375人と過去最多を記録。日本国内でも、海外の差別言説の翻訳・紹介や「女性の権利vsトランスジェンダーの権利」という虚像の提示を内容とするSNS上での差別・誹謗中傷が深刻になっている。浅沼さんの「また来年も、何とかみんなで生き延びて一緒に歩きましょう」という締めの言葉は希望の光であると同時に、差別を規制する法制度の必要性を端的に表している。