社会新報

統一教会へ反撃訴訟を提起 ~ ジャーナリストの有田芳生さん、「スラップ抑止」訴える

有田芳生さんが決意を表明。

ジャーナリストの鈴木エイトさんが連帯あいさつ。

評論家の佐高信さんが連帯あいさつ。

 

 「旧統一教会への反撃訴訟を支える会」が1月23日、東京・日比谷公園内の施設で開催された。
 旧統一教会(世界平和統一家庭連合)によるジャーナリストの有田芳生衆院議員への名誉毀損(きそん)裁判で、東京地裁の一審と同様、東京高裁で教団の訴えが昨年12月23日に棄却されたことを受け、1月23日、教団に対して1100万円の損害賠償を求める反撃訴訟を提起し、その決起集会として開かれた。
 まず、有田弁護団事務局長の澤藤大河弁護士が、スラップ(SLAAP=どう喝訴訟)について、「米国で生まれた概念で、政治家、大企業、宗教団体などが、市民の批判や反対活動に対して名誉毀損などを理由に高額の損害賠償を提起する訴訟の形式。別名、嫌がらせ訴訟などと呼ばれる。相手に時間的、金銭的、精神的な負担をかけることを目的としている」と説明した。
 そして、「勝てる見込みのないことを容易に知ることができたのに提訴した場合、民事訴訟の提起自体が不法行為(民法709条)に該当する。最高裁の判断基準も出ている」と語った。その上で、澤藤弁護士は、「スラップの横行を止めるためには、米国カリフォルニア州の『カウンタースラップ法』のような立法が日本にも必要だ」と訴えた。
 続いて、阿部克臣弁護士から旧統一教会の解散命令に関する報告があり、「早ければ今年3月に東京地裁から解散命令が出ると報道されている。たとえ旧統一教会側が抗告しても、東京高裁の命令で確定する。問題は清算手続きだ。旧統一教会所有の財産や債権の処理に時間がかかるし、妨害も予想される」と、解散命令後の課題を指摘した。
 また、評論家の佐高信さんは、「統一教会は、自民党の外にあるのではなく中にある。自民党が解散しない限り統一教会との関係はなくならない。世襲議員は分かっていない」と批判した。
 さらに、ジャーナリストの鈴木エイトさんも、「現在、統一教会から3件の訴訟があるが、教団側の弁護士が訴訟の目的を『鈴木エイトのメディアの仕事を取り上げるため』と言い放ったように、言論封殺を狙っている」と指摘した。
 最後に、有田議員が「反撃訴訟を通じてスラップを抑止する。妨害にへこたれることなく勝っていきたい」と力強く決意を述べた。