
手前左から福島党首、浅倉共同代表。手前右が外務省職員。(1月30日、参院議員会館)
(社会新報2月13日号2面より)
社民党の福島みずほ党首は1月30日、参院議員会館で、外務省担当官に対して同省が国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)に支払っている任意拠出金の対象から国連の女性差別撤廃委員会(CEDAW)を除外した措置の撤回を強く求めた。
福島党首は「日本がジェンダー平等に背を向けているとの誤ったメッセージを世界に発信することになる」と懸念を訴えた。
女性差別撤廃条約実現アクションと日本女性差別撤廃条約NGOネットワークが外相宛てに除外措置の撤回を求める申し入れ書を担当官に手渡した。
外務省は29日、CEDAWが昨年10月、「男系男子」の皇位継承を定めた皇室典範の改正を勧告したことを不服として、拠出金除外の対抗措置を発表した。同省は27日付で、CEDAWの事務局である国連人権高等弁務官事務所に対し、日本が支払う任意拠出金をCEDAWの活動に使わないよう伝達していた。また、新型コロナウイルス対策で中断していたCEDAWの訪日プログラムも再開を見送ると伝えた。
申し入れ書では「委員会の勧告内容が日本政府の意に沿わないからといって、国連機関への拠出金使用を制限するなどという報復的な対応は、とても人権先進国がなすべき行ないとはいえません」と外務省の姿勢を厳しく批判した。
実現アクションの浅倉むつ子共同代表は「早期の撤回を求める。このような手法が認められれば、他の国連人権委員会にも影響が及びかねない」と懸念を表明した。福島党首は「外務省の対応は強権的である」と批判し、除外措置に至った意思決定のプロセスを明らかにするよう求めた。