
左から中島、大椿、西、五十嵐の各氏。(2月28日、東京・文京区)
(社会新報3月13日号より)
「103万の壁は女の自立をはばむ“愛”の壁?!」と題する集会が2月28日、文京区内で開かれた。五十嵐やす子板橋区議が司会を務め、全国一般労働組合東京南部の中島由美子執行委員長が講演した。
中島さんは、女性の被用者が全被用者の46%を占める一方で、男女の賃金格差は埋まらず、非正規労働者の間でも女性の賃金は男性の78%でしかないことを紹介した。性別役割分業が維持され、介護・看護・保育といった「女がタダでする仕事に金を払いたくない社会」が続いていることが問題であると述べた。
また、労組内部の問題について、運動方針が正社員男性の視点でつくられ、女性部の要求を採用しない「男性原理」があると指摘。組合員には、労働相談においても男女の権力勾配があり、「望まない性的言動はすべて性暴力」だとの認識を持つ必要があると提言した。
中島さんは「103万円の壁」について自作の紙芝居を用い、配偶者控除や第3号被保険者制度といった税・社会保険の制度が、男性の長時間労働と女性の低賃金を固定化していると説明した。そして「女性の貧困の壁を崩す経済的自立と社会保障、賃金格差の解消が必要」と結論づけた。
講演後、大椿ゆうこ副党首と西みゆか参院選東京都選挙区予定候補がコメントを述べた。
大椿副党首は「制度の根本にある家父長制の問題が議論されず、数字だけが予算審議の駆け引きに使われている」「減税と同時に公的支援が削減される可能性もある。取るべきところに課税し、いかに再分配するかの議論が欠けている」と批判した。
西予定候補は、「弁護士として離婚事件を扱う際、女性が受け取る婚姻費用が働いた分だけ減額される不条理を経験した」と語り、女性の就労を妨げる制度の改革を語った。