(社会新報2021年7月21日号3面より)
「バッハは帰れ」「五輪を中止しろ」「ヒロシマへ行くな」。怒りの声が都心に響き渡った。
東京五輪開幕が2週間後に迫った10日、来日中のIOC(国際オリンピック委員会)のトーマス・バッハ会長が宿泊する、東京・虎ノ門のホテル近くで市民らの抗議行動が展開された。主催したのは「五輪マフィアを退治する市民有志」。SNSで呼びかけられたもので、「NO Olympics」などのプラカードを持ち、スタンディングアピールした。警視庁機動隊が市民らの行動を制止するなどして、ホテル周辺は一時騒然となった。
バッハ会長が来日した8日は、ちょうど、東京都で4回目の緊急事態宣言が発令されることが決まった日だ。SNS上では「#バッハ帰れ」のハッシュタグとともに、怒りのツイートが拡散された。
バッハ会長が宿泊していたのは、高級ホテルのVIPルームで、1泊300万円ともいわれており、コロナ禍で生活に苦しむ多くの市民から反感を買った。
バッハ会長は隔離期間をホテルで過ごした後、「五輪休戦決議」が始まる16日に広島を訪問する。
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