(社会新報2月13日号3面より)
昨秋の衆院選で与野党の議席が逆転したことを受けて初めての通常国会が始まった。国会の風景がさま変わりしたといわれている。
現在、来年度予算案が審議されている。大軍拡路線に歯止めをかけ、物価の高騰に苦しむ国民の生活を少しでも建て直すものになるよう野党が力を合わせて奮闘することを国民は期待している。社民党もその実現に全力を挙げる決意だ。
しかし、石破首相に国民のこうした願いは眼中にない。今国会の施政方針演説では「楽しい日本」などと、およそ現実離れしたフレーズまで飛び出した。
来年度予算案は総額115兆円に上り、軍事費は過去最大の8兆7000億円という巨額だ。これにどれだけ切り込むことができるか、衆院で多数となった野党の奮闘が期待される。
だが残念ながら立憲民主・日本維新の会・国民民主各党の最近の言動からはそうした姿勢は見られない。例えば立憲民主党の山井和則衆院議員は2日に放送されたNHK「日曜討論」で近く数千億円規模の修正案を提案するとした上で、「ほとんど私たちの考え方にしてもらったら、予算に賛成する」と述べた。
予算案全体の1%にも満たない修正で本予算に賛成することなどあり得ない。こうしたことが契機となって大連立政権が成立する引き金となる可能性もありうるのではないか。それが国民の願いに沿うものとは思えない。
社民党は先月29日に全国幹事長会議を開いた。7月に予定される参院選に向けた闘争態勢を確立するとともに、3月15日に開かれる全国代表者会議に提案する報告と議案を確定するためだ。
社民党の参院選準備は、残念ながら遅れている。予定候補者は2月5日現在で全国比例で大椿ゆうこ副党首と新社会党から名簿登載する甲斐(かい)正康さん、選挙区で東京都から弁護士の西みゆかさんと愛知県の大西雅人さんの4人にとどまっている。
今後、全国比例では沖縄・平和や脱原発などの課題で先頭に立って闘ってきた活動家や著名人の擁立に努力していくことにしている。また選挙区も首都圏など有権者の多い府県での擁立を目指している。
こうした方針は野党の現状とも密接な関連がある。自公政権が推し進めている大軍拡路線に正面から論戦を挑み、政治を国民の手に取り戻すためだ。全力で準備を進めたい。