2022年7月15日
社会民主党 幹事長 服部良一
一、岸田文雄首相は昨日の記者会見で、参院選遊説中の8日に銃撃を受けて亡くなった安倍晋三元首相の「国葬」を今秋に行なうと表明した。社民党は安倍元首相が不慮の死を遂げられたことにお悔み申し上げるが、以下の理由から「国葬」に反対する。
一、「国葬」の基準があいまいだ。過去に吉田茂元首相の例が一件だけあるようだが、安倍氏は2代前の首相で、現職でもなく自民党の議員であったことを考慮すれば「国葬」は妥当ではない。
一、 岸田首相は「国葬」とする理由について安倍元首相は「卓越したリーダーシップと実行力で、厳しい内外情勢に直面する我が国のために、首相の重責を担った」などをあげた。しかし、安倍元首相に対する政治的評価は様々である。違憲立法であった安保法制の強行採決で国論を二分し、森友・加計学園問題や桜を見る会の疑惑もいまだ解明がなされていないだけでなく、極めて大きな政治不信を招き、アベノミクスに対しても厳しい評価があるなかで、社民党は在任中はもとより、首相退任後の言動などに対しても厳しい批判を行なってきた。安倍元首相の評価が大きく分かれるなかで国家が国葬として国民に政治的評価を事実上強制することは行なうべきではない。
一、今回の事件の背景はいまだ捜査中であり、安倍元首相はじめ自民党と旧統一教会の関係が取り沙汰される事態となっている。こうした点の解明、検証を抜きに「国葬」を実施すべきではない。